検察側から懲役2年を求刑
3月14日(水)初夏のような気候、今回も満席の傍聴者、そして法廷に入りきらない傍聴希望者が廊下にあふれる状況の中で、第9回公判が行われました。傍聴していただいた方、応援に駆けつけてくださった方、本当にありがとうございました。今回の公判は、論告求刑、弁論でした。
始めに、女児の母親の代理人弁護士によって、手紙が朗読されました。次に、検察側からの論告求刑です。
大野智己検事より読み上げられました。
・被告人は本件わいせつ行為を行ったことは明らか
・年齢による言語能力を考慮すれば、『横を向いて』と『後ろを振り向いて』の変遷は、説明の際の表現の違いに過ぎない
※横と後ろでは大きく異なります。
・心理学専門の北神先生の作成した鑑定書は信用できない
・校長先生の証言は信用できる、校長が嘘をつくはずがない
・犯行内容は大胆かつ卑劣であり、極めて悪質。被害結果は重大
・反省の情が皆無
よって、『懲役2年』が妥当。とのことでした。
続いて、弁護人による弁論です。
・記憶に関する研究を20年間に渡り行ってきた北神先生作成の鑑定書の内容は信用性が高い。よって、女児の供述の信用性はない
・児童が25人ほどいる掃除中の教室内で、児童は常に動き回っている。教卓の周りにも数人の掃除をしている児童がいる。「先生、〇〇君が遊んでる~」などと、いろんな児童が頻繁に教卓にいる先生に話かけてくる。教卓の周りには遮る物はない。この状況の中で、「おっぱい」と言いながら服の中に手を入れ、乳首を数秒間弄んだというのは非常に不自然。
・更に、真冬に、何枚も着衣を着ており、首元が閉まった感じであり、先生は服を引っぱることなく片手で服の中に手を入れることは不可能である
・更に、しゃがんで下を向いていてゴミを取っていた女児に対し、被告人は背筋を伸ばしたまま、着衣の中に手を入れ、胸を触るのは不可能
・(これは推測であるが)当日2度の注意を受け、2週間前にはピアノのオーディションで選ばれなかった女児が、担任である被告人を困らせようとして、嘘をついた可能性も否めない
・(これも推測であるが)女児は常日頃、父親が帰ってくるのが遅いとか、母親が弟ばかりを構うということを、被告人に訴えていたことから、愛情不足で寂しい思いをしており、担任である被告人の気を引きたくて、嘘をついた可能性も否めない
よって、被告人は無罪である。という弁論でした。
最後に、被告人最終陳述で、自分はやっていない事、冤罪で人生を狂わされたこと、裁判官に公正な判決をしてくださいと訴えました。安福裁判官は私の目をじっと見て話を聞いてくださいました。
やってもいない、もともとなかった事件で、検察側は懲役2年を求刑しました。検察側は目撃証言すら提示できていないのです。「わいせつ行為を行ったのは明らか」であるならば、客観的証拠を出してほしいのですが、出せないのです。
総理大臣も嘘をつきます。検察の『校長先生のような社会的地位の高い人が嘘をつくはずがない』という強烈な思い込み、偏った固定概念が今回の冤罪を生む大きな材料になっているのです。
次回は、判決裁判です。3月28日(水)14時~14時30分 名古屋地方裁判所902号法廷です。ぜひみなさま、傍聴をお願いします。